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「国際会議ICGA9@武漢」報告 (2009年8月10日配信)

 

 大変に暑くなりました。いかがお過ごしでしょうか? 皆様には、6月に行われた放送大学面接授業に参加されて、また、私が企画しま す奈良近辺における科学ニュースなどの発信に対して、メーリングリストへの参 加に同意されていると、理解しています。このメールは、第1回目の発信となり ます。内容は、(1)国際会議ICGA9の報告、(2)「青少年のための科学 の祭典2009」奈良大会のお知らせ および(3)自主的科学活動、です。宜 しくお願い致します。

 

 (1)国際会議ICGA9の報告 私は、6月28日から7月2日にかけて、中国武漢市華中技・科大学におけるI CGA9(第9回アジア太平洋重力および宇宙物理学国際会議)へ出席してきまし た。この会議は、1年おきにアジアの各国をめぐり、宇宙物理学に関する実験お よび理論の両面から、互いの研究向上を計るものです。第1回は1993年に韓 国ソウルで行われ、2007年には奈良女子大学で行われ、私が実行委員長を務 めました。

  さて、武漢市で行われたICGA9についてでありますが、私は初日に、ブラッ クホールについて講演し、翌日は、司会および国際組織委員会に出席いたしまし た。会議でのトピックスとしては、近未来に計画されている重力波(アインシュ タインの理論から予測されている)の直接的な観測実験について、興味深い発表 がありました。これは国際協力をベースとし、宇宙に人工衛星をいくつか上げて、 それからの情報を集約して観測するものです。また、日本の神岡鉱山の地下に巨 大な観測装置を設置し、重力波を観測する計画も、黒田氏(東京大学)により報告 されました。地震は大丈夫かとの質問があり、直ちにフィードバックするなどい ろいろな対応策を考慮さているとの回答がありました。

  武漢市は、揚子江(長江)挟んで300個もの湖が散在する中に、人口1千万人を 抱える巨大都市です。飛行場も新規に開港し、新しい高層ビルが建てられつつあ り、活気ある人々と車に満ち溢れた、生き生きした町です。飛行場から大学へタ クシーで行く際、同行したアメリカから来た研究者は「ここで運転をするには、 テクニックが必要だね。」と、道路の混雑振りを表現していました。町の南の山 沿いにある華中技科大学は、奈良市街地ほどある敷地に、学生数6万人を抱える 多分中国1の(したがって世界1の)規模の大学だそうです。学内は、碁盤目状 に広い並木道が廻り「森の大学」といわれる中に、10階立てのホテル(私たち はここに宿泊)、銀行、スパーマーケットなどが点在していて、小シティーの様 相を成していました。

 2年後の次回の会議での再会を約束しつつ、閉会となりました。

 

 (2)「青少年のための科学の祭典2009」奈良大会のお知らせ この催しは、奈良地区では1998年に私が実行委員長となり奈良女子大学で始 めて開催され、その後毎年、奈良教育大学、奈良工業高等専門学校および奈良女 子大学とで順番に開催しているものです。本年度の開催要項は、以下のものです。 皆様の積極的な参加を歓迎します。

  ・日時:平成21年11月7日(土)・8日(日)、午前10時~午後4時

  ・場所: 奈良工業高等専門学校 〒639-1080 大和郡山市矢田町22番地

 ・出展:(ホームページより応募要領、出展申込書をダウンロード可能)

  ・出展申込みおよび原稿締め切り:7月31日(金)

 ・ホームページ:http://www.mech.nara-k.ac.jp/kagaku/

 

 

 (3)自主的科学活動 皆さんは、エネルギー、環境および健康問題などを科学的にアプローチすること に関心がありませんか?もしあるのでしたら、私までお知らせ下さい。特定のテ ーマを定めて学習をし、もし成果が集約できれば、科学の祭典などで発信するの も、一つの試みであると思います。いかがでしょうか?